教育研修事業

事例04

辻学園調理・製菓専門学校様
 辻学園栄養専門学校様
  有限会社とまとランドいわき様




食の6次産業化プロデューサー養成講座


調理師専門学校の生徒が地域の”食“の課題を解決する

~地域の“食”をプロデュースしヒット商品を創り出せ︕~

調理学校の実習イメージ

生産者直売のれん会では、辻学園調理・製菓専門学校/栄養専門学校様にて「食の6次産業化プロデューサー養成講座」を運営しています。

「食の6次産業化プロデューサー」とは

国家戦略・プロフェッショナル検定のひとつで、「食」や「地域」をめぐるさまざまな課題を解決するため、「食」の付加価値の向上や生産性の向上を強固な「経営力」のもとに進める人材の育成を目的としています。
能力に応じて7段階のレベルに分かれており、本講座ではレベル2の取得を目指しております。

”優秀なアイデアは商品化” 国内唯一の実践カリキュラム

弊社のプログラムには、資格認定用の座学カリキュラムの他に、“食”の課題を抱えている地域の企業・団体様(=クライアント)からの要望により生徒達が商品開発を行う6次産業化実践カリキュラムが組み込まれています。
生徒達は商品コンセプト、コスト、生産性、納期など様々な制約条件の下で市場調査、商品企画、試作を行い、クライアント参加の審査会に挑みます。プレゼンテーションおよび実食による審査を経て優秀なアイデアは実際に商品化されます。
自らが開発した商品を世に出すためには、主体性の発揮、コミュニケーション、チームワークを駆使しなければなりません。ビジネスに直結した課題を与え、社会に出るための基礎力を鍛えることが目的です。
また、クライアントにとっても若い人材ならではの柔軟な発想や視点、感性を商品に取り入れることができるというメリットもあります。のれん会の生産者ネットワークだからこそできる真の実践カリキュラムです。

産学連携研修の大まかな図説

【カリキュラム事例紹介】


食プロ養成講座実践編の様子をご紹介いたします。

【辻学園調理・製菓専門学校/栄養専門学校様(大阪市)】

大阪市北区西天満にある辻学園調理・製菓専門学校様は1917年に創立された日本で最も伝統のある調理師学校です。
伝統に育まれた確かな技術により、様々な料理コンテストの学生部門において最優秀賞をとるなどの他、多くの著名な卒業生を輩出されています。
2014年より本講座に取り組まれており、地域団体、食品製造業様の商品開発支援をしております。

辻学園の案内イメージ

【実践編の流れ】

研修のフローチャート
  1. クライアント(地域団体・企業)の探索及び今回の課題を決定します
  2. 課題発表会にてクライアント企業の紹介と課題が発表されます
  3. 30~45日後に審査会を開催、プレゼンと実食審査により商品化候補を決定します
  4. 商品化され市場で販売されます。

【クライアント企業︓有限会社とまとランドいわき様】

トマト畑のハウス内写真

福島県いわき市の農業生産法人で、果物、野菜の製造・販売を手掛けている企業様です。
厳重な品質管理の下、水耕栽培で育てられた“サンシャイントマト”は酸味、甘みのバランスがよく、ブランドトマトとして各地に出荷されています。
このたびオープンする直売所向け商品の開発を依頼されました

”優秀なアイデアは商品化” 国内唯一の実践カリキュラム

約40名の調理/製菓校、栄養校の生徒達が8つの班に分かれて商品開発を受け持ちます

研修講座の資料表紙
森講師の研修風景

今回の課題は、

サンシャイントマトを使用して2016年2月にオープンする農産物直売所“ワンダーファーム”のお土産を開発すること。

ワンダーファームの完成イメージ
ワンダーファームの完成イメージ

クライアント様より企業概要やサンシャイントマトの特徴、課題の背景、商品開発にあたって考慮すべきポイントの説明をしていたただきます。
震災後の風評被害に苦しまれた福島県の生産者の方々のためにも素晴らしい商品を考えたいところです。

とまとランド様の説明風景
とまとランド様の説明風景

各チーム独自の市場調査をもとに企画を練り、先生方の指導の下で試作品づくりを行います。

先生との試作品づくりの風景
先生との試作品づくりの風景

審査会(2015年9月12日)

審査委員長は㈱ワンダーファーム元木社長、審査員は弊社代表の黒川、校長先生をはじめとした辻学園の先生方です。
最初に“これはビジネスであるため、審査の結果一定のレベルに達していなければ全チーム落選もある”というルールが説明されます。
商品化に値する優秀作品はでてくるのか!?

審査会の風景、元木社長

事前にくじ引きで決定された順番で、プレゼンテーション→実食→質疑応答で審査を行います。
テレビ取材も行われ緊張感の高まる中でプレゼンテーションを行う生徒たち。

プロジェクターで発表中
プロジェクターで発表中

審査員から商品についての質問が飛びます。

真剣な趣の元木社長
同じく真剣な弊社代表黒川

今回は全7班の発表があり、それぞれがサンシャイントマトの特性、ブランドイメージ、ターゲット層の設定などしっかりした市場調査を元に商品企画が練られており、非常に高いレベルの戦いになりました。

とましゅまろ(マシュマロ)
トマトMAN(饅頭)
みつTOMATO(ジュレ)
トマトチーズケーキ
サンシャイントマトラスク
トマト餃子バジル風味
いわき福子さん(八ツ橋)
サンシャイントマト

別室で審査開始中。①プレゼンテーション力②商品コンセプト③味④商品化のしやすさが審査のポイントになります。
“美味しい“だけではなく、製造工程や生産性、流通工程、販売手法など、総合的に判断されます。

最終審査の風景
最終審査の風景

厳格な審議の後、今回は3つのアイデアが商品化候補として決定しました。


【受賞作品】

優秀賞:“とましゅまろ”

マシュマロの中にトマトジャムを入れたもの。ターゲット層である女性のマシュマロに対する関心の高さとトマトの持つの美容・健康作用を合致させた商品コンセプトが秀逸でした。

とましゅまろ写真
制作メンバーの表彰のようす

優秀賞:“いわき福子さん”

京都の生八つ橋にヒントを得たアイデア。トマトジャムとマスカルポーネチーズを求肥で巻いたもの。お土産需要を強く意識した商品コンセプトと味の完成度が高い評価を受けました。

いわき福子さん写真
制作メンバーの表彰のようす

最優秀賞 “みつTOMATO”

完熟トマトにたっぷりのハチミツを染み込ませゼリーの中に入れたもの。見た目のインパクトの強さだけでなく、綿密な市場調査のもとでサンシャイントマトそのものを味わってもらう商品コンセプトが非常に高い評価受けました。

みつTOMATO写真
制作メンバーの表彰のようす

最後は全員で記念撮影

審査会最後の集合写真

商品化

幾度かの改善活動を経て“みつTOMATO“と”とましゅまろ“が商品化され、ワンダーファーム直売所の店頭に並びました。

商品化後の販促物、店頭風景